母性看護Maternal Nursing

女性の健康や周産期に関する課題を明確化し、解決に導くエビデンスを探索する

教員構成

細坂 泰子

細坂 泰子

Yasuko Hososaka

(看護学専攻/看護医療学部 教授)

E-Mail:hososaka [at]sfc.keio.ac.jp※[at]を@に変換してください

辻 恵子

辻 恵子

Keiko Tsuji

(看護学専攻/看護医療学部 准教授)

E-Mail:tsujik [at]sfc.keio.ac.jp※[at]を@に変換してください

金澤 悠喜

金澤 悠喜

Yuki Kanazawa

(看護医療学部 専任講師)

大阪 香純

大坂 香純

Kazumi Osaka

(看護医療学部 助教)

髙橋 彩華

髙橋 彩華

Sayaka Takahashi

(看護医療学部 助教)

分野の研究テーマ

過去の修士論文のテーマ
妊娠中期の身体活動量が及ぼす妊娠後期の腰痛と日常生活困難度への影響帝王切開術後の褥婦に対する術後72時間の非薬理的疼痛緩和法に関する文献レビュー
妊娠糖尿病(gestational diabetes mellitus)妊婦における母体因子とLFD(light for date)児出生との関連についての研究
超早産児におけるRetCam®を用いた未熟児網膜症眼底検査の影響に関する研究
自然分娩における分娩第Ⅱ期持続時間が母児の周産期リスクの発生率に及ぼす影響に関する研究-初産婦に焦点をあてて-
10代の母親の母乳育児体験と必要な援助の検討
分娩時要因が産後尿失禁の有症率に与える影響についての考察―自然分娩と医療介入のある分娩との比較―
子宮収縮不全による分娩時異常出血と出生体重との関連性の検討
非妊娠時のやせ及び妊娠中の体重増加と出生体重との関係ならびに出生体重に影響を与える要因の検討
分娩期の助産ケア実践能力とそれに関わる要因についての調査研究
未熟児網膜症眼底検査における散瞳時の光環境が超早産児に及ぼす影響―単一盲検クロスオーバー研究―
正常な産後経過をたどる母親への背部マッサージによるリラクセーション効果の評価―自律神経活動および主観的評価の観点から―
新生児の泣きに対する母親の自信形成の経日的変化とそれに影響する要因

過去の博士論文のテーマ
産褥早期における背部マッサージのリラクセーション効果に関する研究 ―生理的指標と主観的指標による検証―

研究キーワード
育児支援、虐待予防、医師との連携、意思決定プロセス、shared decision making、遺伝看護、分娩期の助産ケア、母乳育児支援、哺乳行動、アセスメントツール、ソフロロジー式分娩、初乳、分泌型IgA、出産、ストレス、助産学生、助産実習、分娩介助技術、習得状況、到達度、身体活動量、腰痛

分野の紹介

本分野ではすべてのライフサイクルにある女性の健康、周産期や育児実践に関する諸問題の課題を明確化し、解決に導くエビデンスを探索することを目指しています。妊娠・出産・産褥・育児期のみならず、女性やその家族をも対象にする助産師の役割は多岐に渡ります。時代と社会の要請に応じて母性看護を広い視野で捉え、目標達成に向けて課題解決を図り、生涯看護職として成長し社会貢献する力とその基盤となる看護実践能力・看護研究者の育成に取り組んでいます。
現在実施している研究テーマは、ナラティブからとらえる虐待の境界に存在する日本および英国における子育て期女性の育児実践、分娩時の医師と助産師の連携に対する医師の認識、自然分娩における分娩第2期持続時間と母児の有病率、妊娠初期の出生前検査受検に関する助産師の認識とケア実践であり、国際共同研究や他施設の研究者と協働しながら展開しています。
教育においては、社会を変革する知を生み出す場所として、講義、グループディスカッション等を組み合わせながら教授し、知識と技術の統合を図っています。
本学では助産師の国家試験免許の取得を目指すことはできません。

主な論文

  • Hososaka Y., Kayashima K., Goetz J.T., Rooksby M.,(2024). A Marginalised Role in Parenting and ・Maltreatment Risks-A Qualitative Content Analysis of Fathers in Japan Reflecting on their Parenting Experiences. Journal of Child and Family Studies, DOI:10.1007/s10826-023-02707-9
  • 細坂泰子,辻恵子,宮内清子,池下貴子,西桂子,濱田真由美,浅川友祈子(2023).細坂泰子編,母性看護学実習ハンドブック. 中央法規出版(東京).
  • 山崎真依,川野亜津子,金澤悠喜.(2023).自閉症スペクトラムと類似した特性を持つ妊産褥婦に対する助産師の支援.母性衛生,64(1),173-179.
  • 金澤悠喜,川野亜津子,岡山久代.(2023).A大学における母性看護学実習のCOVID-19感染拡大前後の学生自己評価の比較.茨城県母性衛生学会誌,41,9-14.
  • 大嶋恵奈,金澤悠喜.(2023).産後ケア事業の実態とその効果に関する文献検討.茨城県母性衛生学会誌,41,1-7.
  • 金澤悠喜,菅谷智一,山崎真依.(2023).発達障害傾向の特性を持つ母親に関する育児や家事の現状と課題の明確化-発達障害傾向の母親への育児期における支援方法確立に向けて-.研究助成論文集,58,公益財団法人 明治安田こころの健康財団(東京),pp11-14.
  • 茅島江子,村井文江,細坂泰子(2022).看護判断のための気づきとアセスメント 母性看護.東京.中央法規出版.
  • 下田 有佳, 辻 恵子, 近藤 好枝, 近藤雅楽子(2022).妊娠糖尿病(gestationaldiabetes mellitus、GDM)妊婦における母体因子とLFD(light for date)児出生との関連についての研究. 母性衛生. 63(2), 455-463.
  • 飯岡 由紀子, 杉本 知子, 辻 恵子(2022) 看護師の調整力(コーディネート力)の概念分析. 日本看護学教育学雑誌. 32(2-1), 15-26.
  • Eri Usami, Yuki Kanazawa, Atsuko Kawano(2022). Can psychological status and stress biomarkers in pregnancy predict postpartum depression? International Journal of Nursing and Midwifery, 14(4), 81-87.
  • 臼井夕奈,川野亜津子,金澤悠喜(2022).第1子誕生直後における妻および夫の感情の変化.日本助産学会誌,36(2),186-199.
  • Yuki Kanazawa, Akemi Isoyama(2022). Opinions of midwives regarding the introduction of breast ultrasound in mothers' breast care. Journal of Midwifery, 7(1), 35-44.
  • 細坂泰子,茅島江子(2021).幼児を養育する母親および父親のしつけセルフトリアージ尺度の開発のための検討.母性衛生. 62(2),381-389.
  • 辻 恵子(2020). 周産期の遺伝学的検査の受検を考慮する人々と看護 支えることとつなぐこと. 日本遺伝看護学会誌18(2), 16-20.
  • 辻 恵子(2020). 第5章 リプロダクティブ・ヘルスにおける倫理 pp,91-123. 第6章 リプロダクティブ・ヘルスにおける看護実践,pp.131-142. 有森直子編:母性看護学Ⅰ 概論 第2版-女性・家族に寄り添い健康を支えるウィメンズヘルスケアの追求, 医歯薬出版, 2020.
  • 齋藤 あかね, 近藤 好枝, 辻 恵子(2019). 超早産児におけるRetCam®を用いた未熟児網膜症眼底検査中の影響に関する検討. 日本周産期・新生児医学会雑誌, 55(4),999-1005. 
  • 細坂泰子,柏崎真由(2019).日本語版Quality Assessment Tool for Quantitative Studies(J- QATQS)の等価性を担保した作成および信頼性の検討.東京慈恵会医科大学雑誌. 134(5),75-81.
  • 細坂泰子,茅島江子(2019).育児支援における4コママンガの活用~しつけと虐待の境界に焦点を当てて~. 母性衛生,59(4),896-905.
  • 近藤好枝, 辻 恵子, 原田通予(2018).慶應義塾大学における助産教育のはじまりと今. Keio SFC Journal. 18(2), 61-75.
  • 細坂泰子,茅島江子(2017).乳幼児を養育する母親のしつけと虐待の境界の様相. 日本看護科学学会,37,1-9.
  • 細坂泰子,中野美穂,茅島江子,磯西成治(2017).客観的指標を用いた沐浴とドライテクニックの検討. 母性衛生,57(4),564-572.

修了生の進路

大学等教育機関(教員)、病院(大学病院他)、市町村・都道府県自治体、博士課程進学など

メッセージ

母性看護領域の対象は女性のみならずその家族も含まれます。社会に貢献できる研究を探索する過程で、皆様の看護実践能力や研究能力を伸ばせるよう、一緒に歩んでいきましょう。