委員長メッセージ
困難な時代を乗り切るために
近年、わが国が抱える介護、福祉、予防、健康寿命等の課題と、これらを解決するための看護・ケア、医療施策、健康科学、スポーツ、そして公衆衛生学を、大学院という一つ屋根の下で有機的学ぶという理念のもとに健康マネジメント研究科は運営されています。健康に対する世の中の関心の高まりに呼応し、これまで医療系学部に限定されていた学びの場を、出身学部の枠を超えて解放している点は本研究科の大きな特徴と言えます。
入学生の多様な背景を考慮し、知識の差分を充足するための導入科目の設置や、多くの授業を大学病院に隣接する信濃町キャンパスで開講するなど、学びの環境整備を進めて来ました。一方、大学院はカルチャースクールではありません。受動的学びに終始するのではなく、各人が抱く疑問や課題を研究や社会実装に昇華させることが要求されます。総合大学である慶應義塾の強みを生かし、様々な専門分野の指導教員が皆さんの学びや研究をサポートします。特にデータサイエンスの重要性には早くから注目し、多様な分析手法科目が用意されているので、領域を問わず、データに基づく科学的な意思決定のプロセスを修得することができます。
予定調和が崩壊した不確実性の時代において、勘や経験、そして運に頼る判断はもはや通用しません。カリキュラム・ポリシーに掲げた「学際的な教育」、「実務と研究の融合」、「実証的研究方法」は皆さんが困難な時代を乗り切るための強力な理論武装につながるはずです。志のある学生の入学を期待しています。
健康マネジメント研究科
委員長 石田 浩之