本研究科博士課程(公衆衛生・スポーツ健康科学専攻、医療マネジメント学)の新井崇弘君が2023年9月にスロベニアのピランで開催された国際自殺予防学会(IASP)で「Andrej Marušič Award(アンドレイ・マルシッチ賞)」を受賞しました。同賞は、自殺研究において多大な功績を残したスロベニア出身の精神科医であるアンドレイ・マルシッチ氏を記念して創設されたもので、自殺関連行動とその予防に関する研究を行う優れた若手研究者に贈られます。新井君は、日本人として初めての受賞者となりました。
IASPは、世界保健機関(WHO)とも連携して、世界的に自殺対策・自殺予防に取り組んでいる組織です。新井君の研究は、サイバー空間における自殺対策に焦点を当てており、自殺対策への新たなアプローチとして高く評価され、この度の受賞に至りました。
新井君の研究は、「Quantitative analysis of the Werther Effect on suicide following celebrity suicide reports in Japan: Instantaneous and persistent risk」と題するもので、ウェルテル効果(自殺に関する報道の影響で自殺者数が増える現象)におけるインターネット検索を用いた定量的アプローチに関する口頭発表を行いました。
なお、新井君は、12月11日に国立情報学研究所主催で開催された「NII-IDRユーザフォーラム2023」においても、同研究科博士課程の西田優紀君と共同で発表した「潜在クラス分析によるダイエット食品利用者の口コミパターンと満足度の関係性」で企業賞を受賞しました。
写真:Andrej Marušičのご子息(左)、新井崇弘(中央)、自殺予防学会会長のRory O'Connor教授(右)