Voices|前原 朝美 さん

看護師として実践をより豊かにするために研究活動に挑戦

Profile

前原 朝美(まえはら あさみ)

2008年に他大学看護学科卒業、看護師免許・保健師免許を取得。同年、都内がん専門病院へ入職。
がんとともに生きる人々の生活の質を高めるかかわりをしたいと考えて2015年緩和ケア認定看護師取得。
2024年健康マネジメント研究科看護学専攻老年看護分野CNSプログラム修了。
【看護学専攻】

自身の看護実践について一度立ち止まって考えたいと思ったことが入学のきっかけ

 高校時代に部活で怪我をして入院した際に、手術前に不安を抱えていた私のそばにそっと寄り添ってくれた看護師さんに憧れて看護学科に進みました。看護学科入学後は、実習で受け持たせて頂いた、ご自身は病気のことを知りたいという希望を持ちながらも、家族の意向でがんと告知されていない高齢患者さんとの出会いを通して、がん看護に興味を持ち、がん専門病院に入職しました。その後看護師として14年間病院勤務を続ける中で、徐々に増える高齢がん患者さんに対して、余命の延長のみならず、生活の質を上げるためにどのような看護が提供できるか一度立ち止まって考えたいと思うようになり、総合大学という強みを生かして学際的教育が行われている健康マネジメント研究科で幅広い視点から高齢者ケアを学びたいと思いました。 看護師として実践をより豊かにするために研究活動を行っていきたいと思い、研究経験豊富な先生方に教えて頂きたいと思いました。

健マネでの研究活動で得た学びと今後の展望

 「認知機能低下の自覚があるストーマを保有する高齢者のセルフケアに関する質的研究」
認知症とともに生きる人々を対象にして研究を行いたかったのですが、対象者の方々に対する倫理的配慮については特に慎重に指導教員の先生と相談して計画を考えていきました。本研究を行ったことで、高齢者の方々ひとりひとりが生活上で様々な困りごとを抱えながらもご自身なりに身体を気遣いながらセルフケアをされていることを知ることができました。
また、研究経験豊富な先生方から様々な分析手法を学べることや、看護学専攻以外にも3つの専攻科があり、様々なバックグラウンドの仲間とヘルスケアに関して様々な視点から学びを深められることは、健康マネジメント研究科の強みだと感じています。
将来のビジョンは、老人看護専門看護師として、がん専門病院において高齢者ケアの質向上に貢献しうる実践・研究・教育を行っていくことです。自分や家族が年をとったときに安心して医療やケアを受けられることをモットーにして活動していきたいです。

健康マネジメント研究科への入学を検討している方へ

 いろんな年代、いろんなバックグラウンドの仲間と対話を繰り返すうちに、自分の価値観がいかに偏っていたか、狭いものの見方をしていたかと気づかされることが多くありました。慶應義塾には様々な奨学金制度があり、幅広い視点でヘルスケアについて学ぶことができるチャンスが得られます。

(インタビュー2024年4月)