Voices|坂本 美保 さん

「治療の選択肢を広げることに貢献したい」健マネでの学び
Profile
坂本 美保(さかもと みほ)
看護師資格取得後、大学病院で血液腫瘍科・糖代謝内科・心療内科に従事。
医薬品の安全性評価や健康の価値に興味を持ち大学院に進学。
【公衆衛生学】
治療の選択肢を広げることに貢献したい思いでの大学院進学
私は、医薬品のベネフィットとリスクのバランスを取りつつ、治療の選択肢を広げることに貢献したいという思いから大学院への進学を決めました。血液腫瘍科で看護師として勤務する中で、難治性疾患の患者さんに有効な治療法が限られている現状や、副作用により治療継続が困難になるケースを多く目にしました。この経験から、有効性・安全性の評価に加え、患者にとって現実的で負担の少ない試験デザインの重要性を感じ、公衆衛生の視点から学び直したいと思いました。
健マネの強み・魅力や印象に残るエピソード
健マネでは早慶戦や水上運動会など大人になっても熱くなれる瞬間を体験できます。特に、公衆衛生学のメンバーで夏休みに行ったミニ花火大会が印象的でした。年代や背景の違う仲間と勉強だけでなく、花火をして大人の夏休みを楽しみました
「やってみたい」を実現できる支援体制と、チームワークの良さがこの研究科の最大の魅力です。先生方は学生の積極性や好奇心に寄り添い、親身にサポートしてくださいます。また、健康に関する「川上」から「川下」に至る幅広い分野で授業が開講されており、今まで触れたことのない領域にも挑戦することができます。もともと持っている専門性に、ヘルスコミュニケーション、経営学、データ分析などの+αのスキルを掛け合わせ、自分だけの強みを築いていくことができます。学びへの意欲がある方にとって、健マネは知的好奇心を存分に深められる場所だと思います。
健マネでの学びと今後のビジョン
私は、目的に合った適切な方法で意思決定をマネジメントできるようになりたいと考えています。公衆衛生とは、医療や地域の現場で日々起こっている課題に対し、個別の対応にとどまらず、より上流にある構造的な問題にアプローチする学問だと捉えています。例えば、リスクの高い個人への介入だけでなく、社会全体に働きかけて集団全体のリスクを低減させることで、結果的にリスクの高い個人の数を減らすという集団的アプローチの視点が重要です。
私は、医療介入の効果や価値を多面的に評価し、それを意思決定者にとって意味のあるかたちで可視化・伝達できる力を身につけたいと考えています。そのために今、公衆衛生の視点から、エビデンスと価値判断のバランスを学び、最適な医療資源の配分に貢献できる力を養っています。
健康マネジメント研究科への入学を検討している方へ
自身のキャリアや専門性を高めたい方はもちろん、進路に迷っている方にも、健マネへの入学をおすすめします。大学院では、多様なバックグラウンドを持つ学生とともに、健康を取り巻く社会制度や意思決定のプロセスについて学ぶことができます。自分の常識から一歩踏み出すことで、新たな疑問が生まれ、それが思いがけない目標や成長につながることもあります。私自身、一般的に「良い」とされることでも、立場や評価軸を変えると異なる結論に至る場合があると学び、思考がより柔軟になったと感じています。
健マネは、バイアスにとらわれず、「何を、どのように測るのか」を科学的に問い直す力を養う場所です。入学される皆さんが、それぞれの問いを深めながら、楽しく学べることを願っています!